「リスペクト」を携えて、
日本の製品を海外へ。
新興国のモビリティインフラに貢献。
自動車流通販売SBU
自動車流通事業第二ユニット
古市 幸子
この記事のサマリー
1. 自動車メーカー・航空会社を経て住友商事へ。中央アジア向けの自動車トレードビジネスでチームリーダーを務める。
2. 新興国市場で自分たちの考えをもとに試行錯誤できることが仕事の醍醐味。仕事を通じて中央アジアの人々の暮らしを豊かにしていく実感も。
3. これまでに培った経験を活かし、仲間たちの期待に応えていきたい。
- Profile
- 自動車メーカー、航空会社を経て2022年にキャリア入社。現在は中央アジア向けの自動車トレードビジネスの推進チームでリーダーを務めている。前職にて新興国でビジネスに携わった経験や自動車業界の知見を活かし、自身の強みを発揮し活動している。
※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです
これまでと現在の仕事
自動車業界、新興国ビジネス、マネジメントと
これまでに培った経験を活かして。
——住友商事へ入社した経緯を教えてください。
大学卒業後に入社した自動車メーカーでは、工場での出荷管理をはじめ、輸出業務、海外営業での需給管理、そして商品企画も経験しました。新興国に新しい工場をつくるプロジェクトにも参加できましたね。現場主義を徹底する環境だったため、自動車に関する専門知識と「ものづくりに対するリスペクト」を叩き込まれました。
その後、ステップアップを含め、新たな可能性を求め航空会社へ。ここでは法人営業や、航空便ごとの収入管理を担うレベニューマネジメントに携わりました。ただ、数年間働くうちに、自動車ビジネスならではの面白さを懐かしく感じるように。再び自動車関連ビジネスに携わりたいと考えていたときに、偶然住友商事と出会いました。
——現在は中央アジア向けの自動車トレードビジネスを手掛けているそうですね。
端的に言えば日本の自動車メーカーの商品を、中央アジアのディストリビューターに供給するサプライチェーンを担うとともに、現地のディストリビューターの経営を通じ、同製品の販売網を整備していくというビジネスです。私のチームが担当する国はウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタンの3カ国。現地のディストリビューターは住友商事の出資先で、当社から社長を派遣しているところもあります。中央アジアのモビリティ文化は日本に比べてまだまだ成長の過程にあるので、単純に商品を供給するだけではなく、マーケットそのものを成長させる働きかけが求められます。日本の自動車メーカーに対しても、現地で求められる商品を販売してもらうよう交渉が必要です。実務はメンバーに任せつつ、私はプレイングマネージャーのような立場で関わっていて、時々現地へ出張することもあります。
仕事の面白さと社会的意義
試行錯誤とチャレンジで、
現地のモビリティインフラ構築に貢献。
——なかでも印象に残っているお仕事はありますか?
私たちがターゲットとする新興市場には確立した正解はありません。だからこそ自分たちの考えでトライアンドエラーできることに醍醐味を感じます。先日も新しい輸送ルートの開拓に挑戦しました。初めての試みにも拘らずスピード感が求められたため、チームみんなでバタバタと準備し、何とか実行に。中央アジアは内陸国のため隣国との国境を陸路で越える必要がありますが、手続きのため国境に降り立った時、商品の自動車をクロスボーダーさせた景色が忘れられません。途中で砂嵐に遭って髪の毛がボサボサになったことも含めて、初めての経験を面白がれるメンバーが集まっていることも仕事を楽しめる理由です。結果的に輸送期間の短縮に成功。今後もQCD※のバランスを見て、ビジネスの最適化を図ります。
——社会的意義という視点では、ご自身の仕事にどんな価値を感じていますか?
中央アジアのモビリティインフラの提供の一部を担うことや、そのビジネスを通じて中央アジアの雇用機会を創出し、現地の人々の暮らしを豊かにするという点で社会貢献性を感じています。また、国内の製品を海外に届けることや、日本式の顧客対応を現地で実践するいう意味でも、日本の持つ素晴らしい技術や文化を世界に発信できることを誇りに感じます。
私たちは現地国の省庁に自動車を販売するビジネスも行っています。2022年にはトルクメニスタンの自動車庁向けに自動車を輸出したのですが、その台数は同国の約1年分の新車総輸入台数に匹敵するほどの規模でした。こうした部分でも、私たちのビジネスが現地に与える影響力の大きさを感じます。
- ※QCD:Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)の頭文字を並べたもの
住友商事で働く魅力
多様な人々と手を取り、1台の車を届ける。
総合商社だからこそ見える景色と感動。
——前職で身につけた知見は、現在の仕事にどう活かされていますか?
新興国ビジネスに関する経験や勘、度胸、情熱には共通する部分が多いため、前職で培った経験を素直にぶつけることができています。それから、自動車業界の知識はもちろん、「ものづくりに対するリスペクト」は仕事において欠かせません。それがあるか否かで、メーカーとの対話も大きく変わるでしょう。「ほかの車ではなくこの車を売りたい」、「何万台生産されようとも、すべての車がお客様にとっては1分の1台」といった純粋な思いが、交渉を左右することさえあります。
1台の自動車がユーザーに届くまでに、立場も国籍もさまざまな人たちが関わっていることは、あらゆるプロジェクトを我々が手掛けるからこそ、メーカー時代以上に強く感じる部分です。たくさんの人を通じてビジネスが動く事実に、私はただただ感動しています。このビジネスの全貌がどうなっているか見てみたい。その好奇心に突き動かされているんです。
——他社を経験したことがあるからこそ感じる住友商事の特徴は?
住友商事の人たちは、私のこれまでの経験を尊重しながら一緒に働いてくれるので、そこは非常にありがたいです。もちろん住友商事独自の文化やルールはありますが、価値観を押し付ける雰囲気はなく、徐々に慣れていくことができています。
そもそも自動車業界は女性が少なく、ましてや管理職はもっと珍しいです。そんななかで自動車関連ビジネスでマネジメントができるポジションを希望した私を採用し、実際にその職務を任せてくれた住友商事の期待にはきちんと応えたいと思っています。いつも前を向いていられるのは、支えてくれる仲間たちのおかげです。リスペクトの心を忘れずにいれば必ず仲間ができる。そして常に現場で何が起きているのか、現実に目を向けることを怠らない。これまでの社会人生活で学んだことを大切にしながら、ここでチャレンジを続けていきたいです。
古市 幸子が答える
5つのQ&A
Q1 入社後に驚いたことは?
総合商社というと「一癖ある人が多い」イメージを勝手に抱いていたのですが、実際にはそんなことはなく、誠実で優しい方々がたくさんいました。
Q2 会社の雰囲気を一言で言うと?
フラットで誠実。これまで働いた会社と比較して、「常識」のような決まり事は少ないように感じます。
Q3 仕事でつらい時、どうやって乗り越えている?
気の持ちようですが、新しい学びを与えてくれているんだと思いこみます。一人で会議室にこもり、大きく息を吐いてリラックスすることも。
Q4 過去のどのような経験が、今のあなたをつくっていますか?
進むべき道を迷ったときに、尊敬する上司がかけてくれた言葉が支えになっています。「2つ道がある。どちらを選んでも正解。」進んだ先での戸惑いや苦労はどこにいても起こるもの。その時、その場所で懸命に取り組むことで新しい世界が開けることを、これまでのキャリアを通じて実体験として感じてきました。
Q5 夢は?
女性だからとか、子どもがいるからとか、そういったことに関係なく自分が積み重ねてきたキャリアを完成させて、社会に貢献したいです。リスクはつきものですが、一歩踏み出す勇気を大切にしてきました。住友商事でなら夢を実現できると感じています。
とある1日
- 9:30
- 出社・メールチェック
- 10:30
- チームミーティング
- 11:00
- 取引先との打ち合わせ
- 12:00
- オフィスの周辺でランチ
- 15:00
- 現地事業会社との定例ミーティング
- 17:00
- コーポレート部門との打ち合わせ
- 19:00
- 退社・会食など。たまに担当国の会合に参加。