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デジタルテクノロジーはビジネスをどう変える?最前線から見る、総合商社の可能性デジタルテクノロジーはビジネスをどう変える?最前線から見る、総合商社の可能性

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モビリティーサービス事業部
2000年入社

横山 満久(39歳)

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ITサービス事業部
2005年入社

伊藤 健祐(36歳)

トレードが主軸だった時代も今は昔、総合商社のビジネスは事業投資と投資先管理へのシフトが進んでいる。そしてその投資も、単一事業への投資から、事業同士を引き合わせて新たな事業をつくり出すような動きへと変化しつつある。そんな状況について二人の30代社員に語ってもらった。
1人は、自動車を中心に人々の“移動”に関連する事業を生み出すモビリティサービス事業部所属で、現在は住友三井オートサービスに出向中の横山。もう1人は、ITサービス事業部所属で、全社横断ワーキンググループであるIoT推進センターのマネージャーでもある伊藤。住友商事の変化の最前線に立つ二人が考える商社の未来とは?

変わる商社ビジネス

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伊藤横山さんは所属部署名が最近変わりましたよね。

横山ええ、2016年の4月に部名が「自動車リース事業部」から「モビリティサービス事業部」に改名されました。他部門で取り扱っていた充電インフラや車載電池の二次利用等の電気自動車関連事業の移管に加え、ビジネスドメインをオートリース事業だけでなく、“自動車の保有や使用のあり方”といったクルマ社会全体を対象としたモビリティサービスに広げようという意図があってのことです。実際、世の中を見渡しても、カーシェアリングや駐車場シェアリングが受け入れられはじめていますよね。

伊藤部名が変わったことで、横山さんのお仕事も変わったんですか?

横山私自身は以前から、リース事業の周辺にあるいろいろなビジネスチャンスに目を付け、新しい取り組みにチャレンジするという仕事を担当していましたが、それが組織立ったものとなり、仕事を進める上でより一層の追い風になっています。

伊藤今の出向先である住友三井オートサービス(以下SMAS)もリース事業の強い会社ですね。

横山そうなんです。今の出向先の前は、住商アビーム自動車総合研究所という自動車業界に特化したコンサルティング会社に出向していたのですが、そのときからSMASには注目していました。自動車業界が大きく変わる中、国内最大の自動車リース事業会社にはビジネスチャンスがあるはずと主張してきた結果、出向させてもらったんです。

伊藤出向先ではどんな業務に取り組んでいるんですか?

横山経営企画部に所属しているので、IR活動や取締役会や経営会議の事務局のような、通常の経営業務も担当しているのですが、自分自身の最大の役目だと感じているのは、新しい事業をつくることです。SMASのノウハウを活かすのはもちろん、アライアンス先を探して、異業種企業やベンチャー企業に積極的に会っています。手がけたプロジェクトの例を挙げると、駐車場シェアリングサービスの会社と連携して、自動車をリース契約しているお客様が割安で駐車場を利用できるようなサービスを開始しました。

伊藤そのサービスは新聞にも取り上げられていましたよね。契約する側にも、駐車場側にもメリットがある試みだと思います。あとはIoTの推進にも力を入れてらっしゃいますよね。

横山はい、この分野では全社横断でのICTプロジェクトを発足させ新たなビジネス開発に当たっており、伊藤さんの所属されているIoTワーキンググループからも人的支援をいただいています。今やどんな業界でも注目されるトレンドワードですから、引っ張りだこなんじゃないですか?

伊藤いろんなところから、いろんな相談がありますね。なかにはIoTを魔法の杖か何かと思っているのではないかと思う無茶な相談もありますが(笑)、可能性を感じてもらえていることはいいことだと思っています。

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横山IoTワーキンググループも、2016年に組織されたんでしたっけ?

伊藤はい。前進となる小規模な組織は以前からあったのですが、ワーキンググループになってから規模や周囲の認知度が一気に大きくなりましたね。モビリティサービス事業部の改名と同じく、世の中の流れも踏まえての経営判断だと思っています。

横山この組織はどんなことに取り組まれているんですか?

伊藤“事業ポートフォリオをもとに、IoTを切り口とした「ビジネスの高度化」や「新ビジネスモデルの創出」を図り、全社的な事業価値の向上”が使命です。
実際に業務として取り組んでいる内容は機密性の高いものばかりなので詳細はお話できませんが、キーワードだけを挙げるなら、横山さんともご一緒する機会がありそうな“コネクティッドカー”、“シェアリングエコノミー”のほか“デジタル・マーケティング”や“フィンテック”などでしょうか。

横山トレンドワードが目白押しですね(笑)。住友商事の事業およそすべてと関りがありそうですね。

伊藤そうですね商社ならではの取り組みもありますよ。金属やエネルギー資源の開発を効率化する“スマート・マイニング(採掘)”と“スマートドリリング(掘削)”や、輸送に使う車両や船舶、航空機を最適に組み合わせてコストを最小化する技術“フリート・マネジメント”など様々な業界でIoTが広がってます。

横山へー、そんなことまで。

伊藤もちろん、挙げたものすべてを実際に進めているわけではありませんが、そうしたことにもチャレンジしていきたいと思っています。

横山お互い、変化の激しい場所にいますね(笑)。もちろん、私たち二人だけではなく、新しいこと、おもしろいことをやろうという意識は全社的に感じます。

変化の“場”として総合商社に強みはあるか?

伊藤事業会社のなかで変化を起こそう、新しいことをしようと思ったときに、出向している総合商社社員にはどのような働きが求められるんですか?

横山事業会社のなかでキャリアを積まれた方は、既存事業に関する知識や経験が豊富で、すでにあるものを成長させていくことに長けています。但し、新しい取り組みをしようとすると、既存事業の強みを活かすことは重要ですが、その延長線上の知識や経験だけではうまくいかないこともあります。そんなとき、総合商社においてこれまで培った多様な経験やネットワークをもとに、新たな視点、切り口を提供するのが、自分の役割だと思っています。

伊藤先ほどおっしゃっていた外部企業とのアライアンスはまさにそうですよね。

横山ええ。特に新しい技術を持ったベンチャー企業なんかはその典型ですね。彼ら自身が変化に対する推進力がすごく強く、一緒に取り組むことで新しい風を吹かせることもできます。

伊藤それを聞くと、新しいことにチャレンジする環境として、ベンチャー企業も魅力的に映ります。ベンチャー企業と比べた時に、総合商社の強みは何かあるんでしょうか?

横山大きく、速く、やれるということですね。チャレンジをするには、“資金”や“人材”が必要です。誰かの協力を得ようと思った場合、“信頼”も必要ですね。この3つにおいて総合商社に勝るベンチャー企業はなかなかないと思います。手前みそですが、住友商事もこの3つが非常に高いレベルで揃っていると思っています。

伊藤確かに、資金や人材の面で規模感が出せないと、どんなに目の付け所が良くても、社会的インパクトのある取り組みは難しいですよね。

横山そうなんです。ニッチな分野からでもいい、自分の力だけで何かをつくりたいという人はベンチャー向きだと思うのですが、私の場合は世の中から評価されたり、話題になったりというところにモチベーションを感じるので、その点では総合商社のほうが合っているなと感じています。
伊藤さんに逆に質問したいのですが、ICT企業も新しい取り組みに積極的なイメージがあります。彼らと比べて、総合商社内部でICT領域の取り組みを行う強みやおもしろみって、どういうところにあると思いますか?

伊藤1番はやはり、自社内であらゆるビジネスを行っていることですね。ビジネスを行ってきた歴史も長く、幅広い領域でサービスやプロダクトを持っているので、社内と連携して新しいシナジーを生み出しやすい環境といえると思います。具体的には各ビジネスにおいて解決したい課題やお客様の声を直接聞ける立場にあること、そして直ぐに実証実験を進められる現場があることがICT専業の企業との大きな違いと思います。

横山世界中に、各業界の最前線で活躍する人材がいる会社は他にそうないですもんね。

伊藤そんな人材を通して、ビジネスの実態に近づけるのはとても大きな強みだと思います。商社のビジネスは、あくまでも事業価値をどのように高めるかということが主軸にあります。ただ、それを支えるICT、IoTの重要性が従来以上に高まっていて、場合によってはビジネスを破壊、創造する力を持ち始めていることも事実です。
ビジネスの実態をよく理解して、IT的手段を取る、取らないを判断していくことが、ITの力をうまく活かすことにつながるように思っています。

商社ビジネスのこれから

伊藤私たちがいま体感している変化について話してきましたが、これからどのように変わっていくと考えていますか?

横山今は、既存の事業体を核に、ビジネスとビジネスをつないで大きくしていく手法を取っていますが、この核自体が増えていく方向になるんじゃないでしょうか。
事業間シナジーを生み出していこうという傾向が強まっていますが、既存の枠組みをベースに考えて、それをつなぐシナジーを生むという発想は、むしろビジネス機会を狭めてしまうようにも思います。もっと自由な枠組みで、全く新しい核が生まれてもいいし、一方の事業が一方の事業を吸収するような組み合わせがあってもいい。事業体が自由に再編成されながら、コングロマリット化が進むのかなと思っています。

伊藤確かに、組織体として、シナジーを生まないといけないから生もうとするよりも、ビジネスに真正面からぶつかった結果として新しい事業が生まれるというのが理想ですよね。
私が考えているのは、世の中の動きに対し、どこよりも早く動き続ける企業、ファーストムーバーが今後は勝つということ。IoTに関しても、IoTが企業を変えるというよりも、企業自身がどう変わるかという姿勢がIoTへの取り組みにも表れるということだと思います。

横山IoTもそうですが、世の中を一変させ得る、ゲームチェンジできるツールは怖さもあるけれど、同じかそれ以上に夢もある。恐れず、柔軟に取り組める企業に利するんでしょうね。

伊藤そんな変化を迎えそうな商社業界ですが、どんな人に住友商事に入ってきてほしいですか?

横山新しいことという表現をしてきましたが、正確に言えば、ただ新しいだけでなく、人を喜ばせること、言い換えれば面白いことがますます求められるようになります。ですから、他人を喜ばせることに長けている人、ニーズをきちんと捉えられる人、面白さに自信がある人にはぜひ入社してほしいですね。今いる社員も、面白いことを考え、それを実現しようという情熱のある人ばかりです。

伊藤最後の情熱という言葉は、私もぜひ伝えたかった言葉です。絶えず変化していく業界ですから、惰性で仕事を進めることはできず、目の前の仕事に真正面から向き合うことが常に求められます。その分、ビジネスそのものの本質に迫れる仕事だとも思っています。我こそはという情熱を持った方と、ぜひ一緒に働きたいですね。

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横山 満久

モビリティーサービス事業部 
2000年入社

経営コンサルタント(中小企業診断士)
入社以来、鉄道、航空宇宙、自動車流通、自動車製造、自動車コンサルなど輸送機に関わるビジネスに従事。現在は住友三井オートサービスに出向し、自動車金融サービス(リース)関連業務に取り組む。ゲストコメンテーターとして経済番組(TV)への出演経験もある。

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伊藤 健祐

ITサービス事業部 
2005年入社

入社以来、IT関連部署に所属。子会社SIerへの出向、本社でのM&A業務、米国スタンフォード大学への留学(1年)、ベンチャー投資業務などを経験。現在は全社横断IoTワーキンググループの専任担当としてIoTを切り口にビジネスの高度化・新規ビジネス創出に取り組んでいる。

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