バナナのシェアを
100%抑えたら、
住友商事マンは
値段を上げるか?

油井管事業部 
2009年入社

山本 堯大

地域タテワリ文化を壊す、横串の情報網。

入社してから7年半、異動せずに今の事業部にいます。油井管という、石油やガスを地下から汲み上げるためのパイプを扱う部署で、約80人が所属しているのですが、いつの間にか、今日本に在籍している部員のなかでは最長の在籍期間になっていました。
日本メーカーの製造する高品質製品を、石油やガスを掘る需要家に売るというビジネスです。御存知の通り、日本では石油やガスはあまり多くはありませんので、海外向けのトレードが大半です。私自身も、入社から6年間は営業として主にマレーシア向けのトレードを担当していたのですが、今年度新設されたM&D(Marketing&Development)チームに立上げから所属しています。

油井管事業部は、オイルメジャーを中心とした長期契約顧客を担当するチームと、地域別に複数顧客を担当するチームに分かれています。その体制のみでは個別顧客や地域別の事情に詳しくはなれても、全世界的なトレンドは追いにくいとかねてより感じていました。
そのため、バラバラだった情報を集約する必要性を進言し、マネジメントの判断のもと新たにM&Dチームを組成しました。経済や政治などのマクロ情報を加味して市場を分析、その情報をメーカーを含め世界に向けて発信しています。
私は、自席でじっとしていられない性分で、フロアをうろうろしながら、立ち話で得た情報をビジネスに繋げることはもともとやっており、チームコンセプトにも合っていたんでしょう。

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世界情勢を反映するエネルギー資源市場。

世界的な情報がどうして必要かというと、資源は国の外交カードでもあるので、ある国の政治情勢や経済状況が、他国の資源採掘活動に影響を与えるからです。例えば、これまでのエネルギー業界を支えていたのは中国を筆頭としたアジア、アフリカ諸国の人口爆発に根差すエネルギー需要の激増でした。しかしその後、中国経済成長には陰りが見え、シェール革命による供給過多も影響し油価が暴落しました。結果、掘削活動は世界中で鈍化し、油井管のビジネスには逆風となりました。政治的に見ればイランの制裁解除やクリミア戦争は石油・ガスの流通に大きな影響を与えます。
もちろん、1つの事象がどういう市場の動きにつながっていくか、完璧に読むことはできず、M&Dチームのリサーチが成果につながったと言い切れる事例は現時点ではまだ多くありませんが、部としての戦略を支えるべく動いています。

1つの商材をこんなに長く扱っているのは全社的に見れば珍しいことではあるのですが、私自身はそのことをネガティブには捉えていません。もともと、入社時点で取り扱う商材の希望はなく、任されたことを全力でやろうと思っていました。学生時代に打ち込んだアメリカンフットボールでは、自分が何がしたいかよりもチームのために何ができるかを考えることの重要性を学びました。“For the team”の精神はスポーツも仕事も同じだと考えています。
また、スポーツにしろ、仕事にしろ、すべては自己実現のためだと考えています。自己実現の意味するところは人によると思いますが、私にとっては、自分自身が胸を張れる自分に近づくことです。

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モノサシは、自分自身が胸を張れるかどうか。

仕事でもプライベートでも、恥ずかしいことはしたくないと思って生きています。学生時代に自分自身の弱い気持ちに勝てなかった後悔から来るものですが、目標に掲げたことは、どんな小さいことでも徹底的にやりぬきたいと思い、仕事に取り組んでいます。足元で決めた小さな目標も達成できないのでは世界に通用するビジネスなど成し得ないとの思いから、残業削減や業務の効率化などにも妥協なく取り組んできました。徹底する姿勢を貫くあまり、時に同僚や上司と衝突することもありますが、信念を持って接すれば、認めてくれる恵まれた環境だと思います。とはいえ、胸を張れる自分でいたいなどと偉そうに言っても、元々意志が強いわけではないので、電車でおばあちゃんに席を譲れなくて後悔したり、会議室の椅子を片付けないまま出でしまい5分後に片付けに戻ったり。と日々葛藤を続けています。

就活中、住友商事の面接で受けた質問が記憶に残っています。
「バナナのシェアを100%取ったとして、君は値段を変える?」と聞かれて。まともに経済の勉強もしたことがなかった僕は、全然ビジネス的な思考じゃなく、あこぎなことがしたくなくて上げませんと答えたんです。「青いね」って笑われて、落ちたと思ったんですが、通していただいて。
社会人になった今でも、答えはまだ定まっていません。2年前に質問されていたら、上げると答えていたと思います。稼いだ資金で新しい製品の開発に繋がることもあるし、新たな事業で社会に貢献できることもあるわけですから。でも、今なら、上げないと言うと思います。長い目で見た時、そのほうが持続する事業になると実際のビジネス経験を通じて感じるからです。「信用を重んじ確実を旨とする」「浮利を追わず」。就職活動時に憧れた住友の事業精神に、少しでも近づけるようこれからも葛藤を続けていきたいと思います。(社員の所属部署・内容はインタビュー当時(2016年)のものです。)

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山本 堯大

油井管事業部 
2009年入社

入社以来7年半に渡って油井管事業部一筋。海外向けのトレードビジネスを経験した後、現在はMarketing&Developmentチームで世界の市場動向や政治経済などのマクロ情報を調査する。学生時代はアメフトに打ち込み、日本一を目指す日々を送った。

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